手術と外照射の予後比較

治療法の選択に関して|前立腺がん|がん情報|泌尿器科|独立行政法人国立病院機構 四国がんセンターに以下のように書かれている。

最近報告された欧米のデータでは、手術の方が放射線に比べ生存率が良かったことが示されました(特に若年者)。

かつて、放射線治療より手術が有利でPrasanna Sooriakumaran 氏の論文を紹介した。米国でのものということで、少し論文としては以前のものだが、Boorjian SA, et al. Cancer. 117:2883-91,2011full textを見出した。

PSA 20ng/mL以上またはGS 8~10、またはT3以上の高リスク前立腺がんの患者が対象であり、手術とホルモン治療併用の有無における外照射との間で生存で比較した。1988年~2004年に1,238人が手術、609人が外照射(うち344人がホルモン治療を併用、265人が外照射単独)を受けた。

10年前立腺がん特異的生存率は以下のとおりである。
手術 92%
外照射+ホルモン治療 92%
外照射単独 88%

前立腺がん死については手術とホルモン治療+外照射で差を認めなかった。しかし、がんを含めたすべての死亡のリスクは、ホルモン治療+外照射が手術より高かった。(HR, 1.60; 95% CI, 1.25-2.05; P =0.0002)

確かにFigure 1のC 全生存率のグラフをみると、手術がいいのは明らかだ。

2015/10/11