滋賀医科大学の寄附講座
日本放射線腫瘍学会 部会学術大会でランチョンセミナーを紹介した際、演者の岡本圭生氏の所属が滋賀医科大学 前立腺癌小線源治療学講座 と書かれていたので、少し調べた。
講座・施設-滋賀医科大学には寄附講座の項に前立腺癌小線源治療学講座へのリンクがはられている。寄付講座ということなので、寄附講座の開設は？-FAQ-産学連携-滋賀医科大学をみる。次のように書かれている。
この制度は、企業などが研究経費や客員教授の人件費を寄附し、大学に講座を開設するものです。講座の名称に企業の名前を冠することもできます。本学の教員と共同研究したり、本学の研究施設を駆使して、最先端の医学研究、医用機器の開発、創薬に向けた基礎研究、トランスレーショナル（臨床応用への橋渡し）研究に極めて有効です。
さらに寄附講座及び寄附研究部門規程(PDF)には以下のように規定されている。
第５条 寄附講座等の存続期間は，原則として２年以上５年以下とする。どのような会社が寄付したのかを調べた。外部資金-運営・活動状況-大学紹介-滋賀医科大学よりリンクされている奨学寄附金受入一覧（PDF）26年度をみる。
２ 寄附講座等の存続期間は，更新することができる。
第６条 寄附講座等には，少なくとも教授又は准教授相当者１人及び准教授，助教又は助手相当者１人の教員を置くものとする。
第９条 寄附講座等に係る寄附金は，寄附講座等の存続期間に係る総額を一括して受入れるものとする。ただし，継続して受入れることが確実であるときは、年度毎に分割することができる。
２ 寄附講座等に係る教員給与，旅費，研究費その他必要な経費は，寄附金をもって充てるものとする。
「前立腺癌小線源治療学講座」で検索し以下の情報をえる。
寄附者名：日本メジフィジックス株式会社
寄附金名称：前立腺癌小線源治療学講座研究助成金
受入講座等：前立腺癌小線源治療学講座
金額（円）：20,000,000
二千万円、寄附講座規定に書かれている分割かどうかは分からない。また、前立腺癌小線源治療学講座のサイトにはスタッフ紹介のページがないので、助教又は助手相当者がいるのかどうかも分からない。
利益相反に関する指針｜JASTROについて｜JASTRO 日本放射線腫瘍学会の IV. 開示・公開すべき事項 に企業による寄付講座に所属し、給与をもらっていることは書かれていない。従って、利益相反は関係ないと思うが、岡本氏の発表は一般演題での発表ではなくランチョンセミナーでの発表なので、プログラム・抄録に抄録は掲載されていないので、概要をしることはできない。田中宣道氏の場合もランチョンセミナーでの発表なので概要をしることはできない。なお、田中宣道氏はJPOPSの発表に共著者として名前をつらねている。
産学官連携活動と利益相反-産学連携-滋賀医科大学のページにリンクされている滋賀医科大学利益相反ポリシーPDF版を読んでみる。以下のように書かれている。
産学官連携を進める上で、大学やその職員が特定の企業から正当な利益を得ること、ある いは特定の企業に対し必要な範囲において責務を負うことは妥当である。一方で、このような両者の社会における役割や性格の相違から、職員が企業との関係で有する利益や責務が大学における責務と衝突する状況の生じることは、不可避である。このような状況を「利益相反」といい、大学の社会的信頼を保持するためには、日常的に利益相反に対するマネジメントを行う必要がある。
マネジメントが必要なことは分かるが、以下の書かれているポリシーはぴんとこない。所詮は私は単なる一患者であり、大学組織に身をおいたこともないのでこれは当たり前であろう。ただ、今回、調べて分かったことは滋賀医科大学の「前立腺癌小線源治療学講座」は日本メジフィジックス株式会社の寄付により開設され、平成26年度に二千万円の寄付があったということだ。
--------- 以下2016/05/23に追記
滋賀医科大学大学概要 2015には以下のように書かれている。
■寄附講座 Department by Endowment
前立腺癌小線源治療学講座 Department of Brachytherapy for Prostate Cancer
河内 明宏 教授（兼） Professor
岡本 圭生 特任教授 Special Contract Professor
河内氏は泌尿器科学講座の教授である。
-----上記がエラーとなるので以下のファイルをリンクする。
（2018/05/08に追記）
役職員等 平成27年8月1日現在（As of August 1, 2015）
滋賀医科大学の概要 平成28年(2016年）5月1日現在の組織図が載せられている情報。
------以下2017/04/13に追記
のきなみリンクエラーとなるので、saveしていたPDFファイルを示す。
------以下2017/08/03に追記
滋賀医科大学大学概要2017には以下のように書かれている。
前立腺癌小線源治療学講座
村田 喜代史 教授（兼）
岡本 圭生 特任教授
なお村田 喜代史 氏は放射線医学講座の教授である。
企業等からの資金提供状況 | 滋賀医科大学よりリンクされている奨学寄附金（PDFファイル 内訳1）をみてみる。企業等からの資金提供について（H27.4～H28.3） 内訳１ということで、前立腺癌小線源治療学講座 は 件数 1 で20,000千円となっている。区分は「その他」である。区分に関しては以下のように注釈されている。
内訳の「その他」は、地方公共団体、非営利団体、個人、及び日本製薬工業協会会員企業以外の企業等からの寄附金等の合計
企業名はもはや公開されていない。ただいえることは平成26年度は日本メジフィジックス株式会社より2千万円が寄付され、平成27年度は同じ企業かどうか分らないが一つの企業より同様に2千万円が寄付されたということだ。
-----以下2018/05/05に追記
平成28年度については企業名が明記されている。
企業等からの資金提供について（H28.4〜H29.3）
病院topページよりリンクされている病院からのお知らせの前立腺癌密封小線源外来の更新についてによると2019年末で寄付講座は終了ということのようだ。「寄附講座等の存続期間は，原則として２年以上５年以下とする。」ということなので最長期間での存続ということだ。
-----以下2018/05/11に追記
前立腺癌密封小線源外来のページがあり、スタッフ紹介をみると特任助教として奥山 佳ほり氏が存在している。
-----以下2018/08/06に追記
規程・様式等よりリンクされている寄附講座及び寄附研究部門規程は（平成17年10月26日制定 平成29年７月27日改正）となっている。改正されているので上記のものは（平成21年４月１日改正）ということなので旧版である。存続期間に関する規定を以下に転記する。
（存続期間）
第５条
寄附講座等の存続期間は，２年以上５年以下とする。
２ 寄附講座等の存続期間は，最長５年として更新することができる。ただし，更新の手続きは，設置の例に準じて行うものとする。
5年が最長ということが明記された。これに従い上記の2017.12.28のお知らせには「設置期間の上限（５年間）」と書かれているということだ。
……以下2019/12/17に追記
大学概要 | 滋賀医科大学に最新及び以前のものが2005年から掲載されている。
2016/05/23