寡分割照射比較試験

海外癌医療情報リファレンス早期前立腺がんに短期で集中的な放射線療法が推奨可能/デューク大学医療センターという記事を読んだ。「4月4日のJournal of Clinical Oncology誌に掲載された発表」によるということより、元の論文、J Clin Oncol. 2016 Apr 4.full textに至る。

論文はデューク大学のW. Robert Lee 氏を筆頭著者とするものである。通常の照射と寡分割照射とのランダム化比較試験であり、概要は以下のとおりである。
・低リスクの前立腺がん患者1,115人が登録された。
・以下の2種類の照射法にランダムに割り当てられた。
 C-RT 1回1.8gy照射で41回照射 計 73.8Gy 542人
 H-RT 1回2.5Gy照射で28回照射 計 70Gy 550人

5年無病生存率は以下のとおり
C-RT 85.3%
H-RT 86.3%

解析期間中、100人(C-RT 51人、H-RT 49人)が死亡した。
5年全生存率は以下のとおり
C-RT 93.2%
H-RT 92.5%

5年PSA非再発率は以下のとおり
C-RT 91.9%
H-RT 93.7%

両群で「重度の副作用は両群共にまれで(5%未満)、両群間に差は認められなかった。」というこである。
H-RTは放射線治療に書いたように私が受けた照射法と同じである。対象が低リスク患者であるが、このランダム化比較試験において寡分割照射と通常照射、治療成績、そう差がないという結果をみて納得する。

2016/05/13