小線源治療のBED

生物学的効果線量（biologically effective dose；BED）に関してBEDで「小線源の場合の計算式は今一つよく分からない」と書き、「これ以上詳しい内容を探索するには多分、前提の知識が足りないので無理だし、そもそも、どうしてもいう関心があるわけではない」とこれ以上の探索は諦めた。

今回、論文Radiation dose escalation for localized prostate cancer: intensity-modulated radiotherapy versus permanent transperineal brachytherapy.、full text で参考文献の4としてあげられている共著者としてStone氏の名前もあるStock RG, et al. Biologically effective dose values for prostate brachytherapy: effects on PSA failure and posttreatment biopsy results. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2006 Feb 1;64(2):527-33.、full textを読んでみた。そこでは小線源のBEDの計算式とその説明は以下のように書かれている。

BED = (R₀⁄λ){1+[R₀/(μ+λ)(α/β)]}
where R₀ = initial dose rate of implant = (D90)(λ); λ = radioactive decay constant = 0.693/T_1/2; T_1/2 radioactive half-life of isotope; μ = repair rate constant = 0.693/t_1/2; and t_1/2 tissue repair half-time. The specific values used for these constants for prostate carcinoma were α/β = 2 Gy, t_1/2 = 1 h, T_1/2 = 60 days for I-125.

なお、ハイリスク症例に対する密封小線源療法の可能性前立腺がんの小線源療法によると. D90 は前立腺体積の90%に照射されている線量とのことだ。リアルタイムによる辺縁配置法＆EBRT併用療法のBEDの参考数値の表をみてみる。D90 = 120 Gyの場合を上記の式にいれ、125になることを検算してみる。

R₀ = D90 * λなので、上記の式は以下のようになる。
BED = D90{1+[D90*λ/(μ+λ)(α/β)]} = D90+D90*D90*λ/(μ+λ)(α/β)
ここで、次の値をいれる。
D90 = 120　λ = 0.693 / 60 * 24 (hに換算)　μ = 0.693　α/β = 2
BED = 120+(120*120*0.693/60*24)/(0.693+0.693/60*24)*2 = 124.997
表ではBEDは 125 となっているので、この計算でいいことが分かった。

2015/04/10