Zilli氏の論文
リンパ節転移のリスクが高い前立腺がん患者に対して全骨盤放射線療法を実施、IMRTで寡分割照射を実施した治療結果を報告したZilli氏他の論文Hypofractionated external beam radiotherapy to boost the prostate with ≥85 Gy/equivalent dose for patients with localised disease at high risk of lymph node involvement: feasibility, tolerance and outcome. Clin Oncol (R Coll Radiol). 2014 Jun;26(6):316-22.の概要を紹介する。なお、Zilli氏はGeneva University Hospital所属である。
2004年から2011までの患者、78人（T1-4N0M0）が対象であり、57人がT3a以上で、40人がグリーソンスコアは8以上であった。ほとんどの患者に対して3D-CRTで1回1.8 Gy 1) で28回照射し、計50.4 Gy、その後、IMRTで週2回、1回4 Gyで6回照射、計24 Gyの外照射の治療を行った。すべての患者は計10.8ヶ月（中央値）のホルモン治療を行った。5年間PSA非再発率は84.5 ± 4.5%であった。
1) 論文では"normofractionated dose"としか書かれていないが、 "equivalent to 85.2 Gy in 2 Gy/fractions (α/β = 1.5 Gy)"と書かれていたので、1回1.8Gyを推定し、計算し、確認した。
BEDより外照射の生物学的効果線量（biologically effective dose；BED）の計算式を再掲する。
BED=nd(1+d/α/β)
n: 照射回数d: 1回線量
・1回2 Gy照射のBED
85.2*(1+2/1.5)=198.8
・今回の治療のBED
50.4*(1+1.8/1.5)+24*(1+4/1.5)=198.88
1.8で間違いない。
2015/04/04