根治的前立腺全摘除術後
手術後、転移まで8年、その後、死亡まで5年というはなしをきくが、関連する記事、論文がわかったので、紹介する。
がん情報サイトの「根治的前立腺全摘除術後のフォローアップ」に以下の記述がある。
治癒目的の根治的前立腺全摘除術を施行し、平均5.3年追跡した2,000人近い男性を対象としたレトロスペクティブ解析では、315人（15％）の男性が生化学的再発の証拠とみなされる0.2 ng/mL以上のPSA異常値を示した。これらの315人の男性で、臨床的に再発の証拠が得られたのは103人（34％）であった。生化学的再発から臨床的転移が現れるまでの時間は、中央値で8年であった。転移性疾患発生後の死亡までの時間の中央値は5年であった。
参照論文として、Pound CR, et al. JAMA. 1999 May 5;281(17):1591-7.、full textがあげられている。
対象として1982年4月か1997年4月までの1997人の手術を受けた患者であり、術前のホルモン治療は無しであり、遠隔転移の前にホルモン療法は受けなかった。単一の外科医によって治療された。
1997人の男性のうち、315人はPSA再発し、11人は、再発後、早期ホルモン療法を受け、本研究の対象外となった。患者の内訳は表１のとおりである。高リスクも含まれている。
前立腺がんの治療にドセタキセルがFDAに承認されたのはFDA Approval for Docetaxel - National Cancer Instituteによると2004年5月19日である。従って、遠隔転移の場合の治療法は限定したものであったと思われる。それにしてもPSA再発時、特にホルモン治療を実施しなかった理由はよく分からない。
（掲示板に2015年2月10日(火)12時00分30秒に投稿した「根治的前立腺全摘除術後」に追記）
2015/11/13