松本氏の論文
検索し、松本洋明氏他の論文、泌尿器外科 2012年 25(8).1693〜1695に至る。概要を紹介する。
2005年2月から2011年7月までの金マーカー併用IMRT治療を実施した患者77人が対象である。
マーカーは原則3個前立腺内に挿入された。照射線量は2007年6月までは70Gy、7月以降は74Gyだった。
D'Amico のリスク分類による77人の内訳は以下のとおりである。
低リスク 16（20.8%）
中間リスク 20（26.0%）
高リスク 41（53.2%）
PSA再発は4人で5年PSA非再発率は87.1%だった。
急性期有害事象は以下のとおり
頻尿・尿意切迫 grade1：18（23.3%） grade2：1（1.3%）
閉尿 grade1：1（1.3%） grade2：1（1.3%）
直腸炎 grade1：6（7.8%） grade2：1（1.3%）
ここで、RTRT systemでの治療成績で紹介した北海道大学の清水氏他の論文、Radiat Oncol. 2014 May 21;9:118.をみてみる。この論文での治療法は寡分割照射によるものであるが、上記と同様に3個金マーカーを埋め込んでの治療である。110人の患者が対象である。
早期尿路(GU)有害事象 grade1：44 (40.0%）grade2：1(0.9%)
早期直腸(GI)有害事象 grade1：7 (6.4%) grade2：0
金マーカーを埋め込んでの照射は照射後の副作用が少ないといえる。
2016/06/06