Wilcox氏の論文

松本氏の論文その２で紹介した山口大学の松本洋明氏の論文の「考察」の終わりのほうに以下の記述があり、Wilcox氏他の論文を参照していた。

精密なIMRTとホルモン療法の併用により治療効果も良好になっているとの報告⁶⁾もあり

ということで、Wilcox SW et al. J Med Imaging Radiat Oncol. 2015 Feb;59(1):125-33 を少しみてみた。

Wilcox氏はオーストラリアの North Coast Cancer Institute に所属している。2006年〜2010年の中間リスク334人(49.6%) 、高リスク340 (50.4%)計675人が対象である。3〜6ヵ月のネオアジュバンドホルモン治療、高リスクの場合は2年間のアジュバンドホルモン治療を実施した。禁忌がない限り患者は、金マーカの挿入を受けた。

5年PSA非再発率は以下のとおり。
全体　93.3%
中間リスク 95.5%
高リスク　 91.3%

論文はオーストラリアにおける小線源治療、HDR、手術との治療成績との比較を行っているが、詳細は省略する。
abstract の結論を私訳で示す。

結論：現代の外照射は現代のオーストラリアの手術と小線源治療技術と同じくらい有効である。

2016/06/22