MSKCCのツール

画廊巡りとがんの本でMemorial Sloan Kettering Cancer Center（MSKCC）メモリアル・スローン・ケタリングがんセンターの予測ツールとそれをある患者の数値を入れた結果を掲載している『最新医学 別冊 新しい診断と治療のABC 　内分泌4　前立腺がん　改訂第2版』と旧版の違いについて書いた。

もう既に放射線治療は終わっているので、いまさらながら、ツールに数値をいれて予測してみてもしかたがないが、改めてPrediction Toolsのページを訪問する。

書かれている免責事項を斜め読みし、Continueボタンを押す。Pre-Radical Prostatectomy ということなので、手術治療を受ける場合の予測であるが、今回、限局性なのか否か等の予測を主なものと考え、値他を入力した。最初の二つの質問は手術前にホルモン治療を受けたか放射線治療を受けたかの質問なので、NOと答える。放射線治療開始までの「確定時の年齢、病期など」に書いてある値を入れる。

結果は以下のとおりである。生存率、PSA非再発率は省略する。

被膜外にひろがっている可能性が結構高いことに驚く。いずれにしろ、MSKCCで治療された10,000人以上の患者のデータを元にしたものであり、米国においては前立腺がんの手術を年間100件以上行うのが一人前の医師という話をきくこともあり、患者の数においては十分なものであろう。

参考までにPSA非再発率(東北4施設)で紹介した学会発表、D’Amico 分類による中間リスク前立腺癌でもPSA値15ng/mL 以上では高リスク群と同等の再発リスク【癌治療学会2013】での4施設の値を以下に記す。

対象：2001年から2009年の間に術前内分泌療法を施行しない前立腺全摘患者1268人
低リスク/中間リスク/高リスクの%
　被膜浸潤陽性：15.8/27.6/43.5%
　リンパ節転移：0.35/1.1/6.0%
　精嚢浸潤：1.4/4.8/14.9%

2015/09/14