局所進行性前立腺がんへの放射線治療
リンパ節への転移でradical radiotherapy（リンパを含む放射線治療）をホルモン治療に加え行うほうが生存率がいいという記事を紹介した。英国のカーディフ大学、Velindre病院のMalcolm D. Mason 氏のFinal Report of the Intergroup Randomized Study of Combined Androgen-Deprivation Therapy Plus Radiotherapy Versus Androgen-Deprivation Therapy Alone in Locally Advanced Prostate Cancer. J Clin Oncol. 2015 Feb 17. 、full textの概要を紹介する。
表題を訳すと「局所進行性前立腺がんにおけるアンドロゲン除去療法＋放射線併用治療 vs アンドロゲン除去療法単独実施グループ間のランダム化試験の最終報告書」であり、追跡中央値、8年での解析より放射線治療併用を併用した場合が生存に益があり、局所進行性前立腺がんの治療における放射線治療の役割が堅く確立していることを示しているという結論である。
とこれだけでは、何なのでもう少し説明する。
対象患者は以下のとおりである。
・T3-4, N0/Nx, M0
・T1-2 PSA 40以上 または PSA 20～40 でグリーソンスコア 8～10
アンドロゲン除去療法（以下ADTと記述）と64～69Gy （35～39分割）の放射線治療（以下RTと記述）を実施する人とADTのみ治療を実施する人をランダムに割り当てた。時期は1995年から2005年までで、603人がADT+RT、602人がADTのみで、計1,205人だった。
全生存期間が有意にADT+RTに割り当てられた患者で改善した。（ハザード比[HR], 0.70 ; 95%信頼区間[CI], 0.57から0.85 ; P <0.001）前立腺がんによる死亡はADTにRTを追加することによって大幅に減少した。 (HR, 0.46 ; 95% CI, 0.34 から 0.61 ; P < 0.001)
2015/06/12