テストステロンの回復

ホルモン療法を実施した際、どれぐらいでテストステロンが回復するのかと思っていた。また、長期のホルモン療法を実施した際、治療終了後のPSAの値はホルモン治療の影響があるのではないかと思っていた。

例えば、北里大学の石山博條氏他のJ Radiat Res. 2014 May;55(3):509-17.は放射線治療前、6ヵ月、治療後36ヵ月のホルモン治療を実施している。その条件で、5年PSA非再発率が高リスク 97.8%、超高リスク 81.9%といっても、ホルモン治療の影響が残っているのではないかと思ったものだ。

北里大学の津村秀康他の論文、Recovery of serum testosterone following neoadjuvant and adjuvant androgen deprivation therapy in men treated with prostate brachytherapy. World J Radiol. 2015 Dec 28;7(12):494-500. full textは上記の素朴な疑問に答えるものだ。

論文の概要を紹介する。
1999年6月から2009年2月にHDRまたは小線源治療を実施した患者174人が対象である。ホルモン治療の長さにより二つのグループに分ける。
短期:3ヵ月~12ヵ月のネオアジュバンド療法を実施
長期:36カ月以上のネオアジュバンド療法及びアジュバンド療法を実施

正常なテストステロンは ≥ 207 ng/dLであり、去勢レベルは ≤ 50 ng/dLである。以下のように定義する。
正常レベル:≥ 207 ng/dL
supracastrate レベル: > 50 ng/dL

ホルモン治療終了後24ヵ月の累積発生率は以下のとおりである。

短期グループ
正常レベル:96.4%
supracastrate レベル:98.8%

長期グループ
正常レベル:28.8%
supracastrate レベル:74.6%

5年後も長期グループでは22.6%が去勢レベルである。

ホルモン治療終了後、1年以上たったが、一時抜け落ちていた脚の毛は復活していたが、最近はまた脱毛してきた。はてさて、これはいいことだろうか、悪いことだろうか。多分、今はsupracastrate レベルだろう。私は短期グループに入るので2年たつと正常レベルになると思いたい。

2016/02/01