高リスク患者特性その３
高リスク患者特性を表形式で示し、それにPSA非再発率を追加した表を高リスク患者特性その２として示した。
これに更に高リスク因子数総計(%)の値を追加した表を以下に示す。
高リスク因子数総計(%)は高リスクのリスク因子の% を足したものである。これが100%ならば、複数のリスク因子を持つ患者は0であるということであり、その値が大きいと複数のリスクをもつ患者の数が多いことを示す。
年間治療数は表の横幅の関係から省略した。
リスク因子の患者の数、割合は以下のように記す。
病期がT3以上：T3 n(%)
GSが8以上：GS n(%)
PSAが20を超える：PSA n(%)
ただし、論文によっては20以上の場合の数を書いている場合があるがその場合もその数値を記す。
外照射、小線源で各々、T3の患者の割合の多い順に並べる。
9 はリスク分類はD'Amicoである。
| No | 発表年 | 筆頭著者 | 所属 | 治療法 | 期間 | 患者数 |
リスク因子 患者数、割合 |
計(%) | 5年PSA非再発率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2016 | 富田夏夫 | 愛知県 がんセンター |
IMRT | 2006〜2013 | 270 |
T3 205（76%） GS 142（53%） PSA 137（51%） |
180 |
高リスク 97.7% 超高リスク 87.9% |
| 2 | 2012 | 武田賢 | 東北大学 | IMRT | 2003～2008 | 105 |
T3 67（64%） GS 68（65%） PSA 48（46%） |
175 | 高リスク 82.2% |
| 3 | 2015 | 小林将行 | 千葉県 がんセンター |
IMRT | 2001～2010 | 156 |
T3 74（47%） GS 88（56%） PSA 78（50%） |
153 | 高リスク 87.2% 超高リスク 73.1% |
| 4 | 2014 | 清水伸一 | 北海道大学 | IMRT (寡分割 照射) |
2004～2011 | 48 |
T3 19（40%） GS 36（75%） PSA 24（46%） |
161 | 高リスク 79.6% |
| 5 | 2015 | 山本健太郎 | 東京大学 | VMAT | 2008〜2013 | 134 |
T3 53（40%） GS 89（66%） PSA 57（43%） |
149 | 高リスク 90.0% |
| 6 | 2017 | 岡本圭生 | 滋賀医科大学 | 小線源 | 2005〜2013 | 143 |
T3 91（64%） GS 96（67%） PSA 59（41%） |
172 | 高リスク 95.2% |
| 7 | 2015 | 森田將 | 昭和大学 | 小線源 | 2005〜2014 | 95 |
T3 15（16%） GS 72（75%） PSA 34（37%） |
128 |
9年PSA非再発率 高リスク 92.0% |
| 8 | 2015 | 斉藤史郎 | 東京医療 センター |
小線源 | 治療後 5年以上経過 |
100 |
T3 12（12%） GS 52（52%） |
- |
高リスク 86.9% 10年PSA非再発率 高リスク 78.6% |
| 9 | 2016 | 福森知治 | 徳島大学 | 小線源 | 2004〜2016 | 95 |
T3 2（2%） GS 73（77%） |
- |
4年PSA非再発率 高リスク 84.1% |
| 10 | 2014 | 田中宣道 | 奈良県立 医科大学 |
小線源 | 2004～2008 | 18 |
T3 0（0%） GS 9（50%） |
- | 高リスク 94.1% |
滋賀医科大の岡本圭生氏の論文に関しては高リスク因子の数に誤りのある可能性がある。その詳細はブログに滋賀医科大 岡本圭生氏の論文 その２と題して書いた。
2017年6月7日に愛知がんセンターのデータを追記した。たくさんの患者を治療し、高リスクの因子に関わらず積極的に治療していることが分かる。
2017/05/20