岸本葉子『がんから始まる』
前立腺がん治療日記のlue-Kobatonさんの記事、がん患者のマドンナにより岸本葉子さんの『がんから始まる』晶文社をしった。さらに、久々にみた極東ブログの書評の過去ログより、[書評]がんから始まる（岸本葉子）に至る。これも何かの啓示といっていいものかと思い、図書館より借り出し、読了した。
描写の的確さと、冷静な筆致に驚く。「告知を受けて頭が真っ白になる」ということはなかったようだ。P.39の次の文には全面的に同意する。
人間には恐怖の感情とは別に、「知りたい」という欲求がある。自分のおかれた状況、あり得る可能性について、認識していたいという。
認識して何になる、といった目的的なものではない。もしかしたら、知らない方が、目的にはかなうかもおしれなくても、それでもだ。
初めにに書いた、「認識することが何よりであり、気負わず、記録していこう」というのは偽りない気持ちであり、岸本さんのいう「認識して何になる」という冷ややかなもうひとつの声を排し、このサイトを継続していく考えである。
2016/01/27