東京医科大のノモグラム

ブログの記事、大堀理『前立腺がんは「ロボット手術」で完治を目指す!』で東京医科大の大堀理氏は「ロボット手術を受けた600人のデータをもとに開発したノモグラムを使用している」ということを紹介した。
さらに、「ノモグラム（計算図表)は特殊な数学モデルで、複数の臨床病理学的因子を総合して、がんの有無、湿潤、転移、再発などの予測リスクを算出し、１つの数値として示すツール」という説明を行っている。

検索して、東京医科大学学術リポジトリの限局性前立腺癌における術後生化学的非再発率の術前予測ノモグラムの開発という論文をみいだした。筆頭著者は澤田陽平氏であり、術前にPSA非再発を予測するノモグラムである。2000年〜2012年の東京医科大で手術を受けたT1〜3N0M0の患者751人が対象である。術前の内分泌治療を受けた人は対象外である。すべてがロボット支援下手術ではなく、内411人である。またPSA再発した人は212人（28%）だった。

予測の因子は、術前PSA値、生検Gleason score、臨床T病期、生検癌陽性率、前立腺体積である。論文をキャプチャーした図を以下に示す。
・ノモグラム

私の場合を確認してみた。
画像を拡大し、放射線治療開始までで示した当方の数値で各々のポイントを得る。ただし、前立腺体積は知らないので、20ccより大きく70㏄以内とした。各々の予測変数のポイントの合計点は約49点になった。
5年PSA非再発率は76%である。

この値は手術をした場合であり、そんなものかなと納得する。

やはり、ちょっと面倒なので、MSKCCの予測ツールのほうが簡便だ。

2016/10/03