Stish氏の論文__救済放射線治療の開始時期

前立腺癌診療ガイドライン 2016年版で手術後、PSA再発した場合、「救済放射線治療が有効な治療選択肢であり、PSA＜0.5 ng/mLでの開始が望ましい」ということを示した。放射線治療後のPSA再発のみならず、遠隔転移や前立腺がん特異死亡に関しても0.5 ng/mL が有意さがあったという論文の概要を紹介する。

その論文は米国のメイヨー・クリニックのBradley J. Stish 氏を筆頭著者とするJ Clin Oncol. 2016 Aug 1. 、full text である。

1987年から2013年に救済放射線治療を受けた患者1,106人が対象であり、追跡調査の中央値は8.9年であった。
以下 PSAが0.5 ng/mL以下で救済放射線治療を開始した場合をA、PSAが0.5 ng/mLを越えて救済放射線治療を開始した場合をBと記載する。

PSA再発率
5年
A:42%　B:56%
10年
A:60%　B:68%
遠隔転移率
5年
A:7%　B:14%
10年
A:13%　B:25%
前立腺がん特異死亡率
5年
A:1%　B:4%
10年
A:6%　B:13%
全生存率
5年
A:94%　B:92%
10年
A:83%　B:73%

このことは full text のFig 1.をみても明らかである。

2017/02/09