PSA100以上の場合
PSAが100を超えていると画像上では転移はなくても、かなり進行しているかと思われる。
スウェーデンのデータベース（PCBaSe）を使ってPSA100以上の場合について考察した論文、J Urol. 2015 Dec;194(6):1594-600.の概要を示す。
1998年から2009年の前立腺がんと診断された15,635人のPCBaSeのデータを用いたものだ。
以下の4つのグループに分けられた。ただし、グループ4は評価の対象外である。
１． PSA 100以上 M0 1,879人
２． PSA 100以上 M1 5,642人
３． PSA 100未満 M1 3,828人
４． PSA 100以上 Mx 4,286人
なおM分類の表記の意味は下記のとおりである。
M0：遠隔転移なし
M1：遠隔転移あり
Mx：遠隔転移の評価が不可能（検査をしていない、診療録に表記がない等）
PSA100以上は7,521人であり、その内75%がM1である。さらにPSAが100〜300の3,527人の59%のみが遠隔転移だった。
5年がん特異生存率は以下のとおり。
１． 72%
２． 24%
３． 39%
PSA100以上だとしてもM0ならば生存率に関してはM1の患者より優位という結論である。
2016/11/11