オプジーボとキイトルーダ
病院で確保したロハス・メディカル2016年11月号に興味深い記事があった。それは「英の希望小売価格は5分の1 それでも「高い」と揉めているオプジーボ（一般名：ニボルマブ)の光と影」と題された記事である。なかでPD-1を発見、その研究で世界をリードし関連特許も数多く保持する本庶佑氏へのロハス・メディカル編集発行人の川口恭氏のインタビュー記事に特に興味ひかれた。
このようにいう。
免疫システムを壊す前に使うのが一番良いでしょう。
あとは他の療法との組み合わせですね。これは治験をいっぱいやっているので、いずれ出てきます。時間の問題ですよ。
さらにペムブロリズマブで書いたペムブロリズマブ（商品名：キイトルーダ）に関する訴訟の話が膨大な収益をえる薬に関する争いとして一方の開発者の見解としておもしろかった。
ーーー（オプジーボ陣営の）小野薬品工業とBMS（ブリストル・マイヤーズスクイブ）が（キイトルーダを製造販売する）米メルクを特許侵害で訴えてますね。
本庶 最初はメルクが我々の特許を無効だと訴訟を起こしたわけです。僕も被告人にされました。で我々は特許は有効で、逆にそっちが特許を侵害している、と反訴訟をやっている状況ですね。これまでヨーロッパでは何回か判決が出ていて、全部こちらが勝ってます。ただ、アメリカは、裁判制度が異なり、陪審員でやりますから、芝居のうまい方が勝つ可能性はあります。
小野薬品・BMSがMerckを抗PD-1抗体特許侵害で提訴というブログ記事がある。また小野薬品がMSD「キイトルーダ」を抗PD-1抗体特許侵害で提訴では小野薬品の2016.10.24 小野薬品 press release: MSD株式会社に対する特許侵害訴訟の提起についてがリンクされている。経緯も抗PD-1抗体を巡る特許訴訟～小野/BMS（オプジーボ; Opdivo） vs Merck（キートルーダ; Keytruda）に書かれているようだが詳細を追うつもりはない。
なお、がん治療薬「オプジーボ」半額へ 中医協が了承 来年２月からという記事が本日掲載されていた。
いずれにしろ、現在はやめどきが分かっていない（本庶氏は第I相治験で、半年でいいというデータがあるといってはいるが）良く効く高額な薬が半額になるのはいいことだ。
-----以下2016年12月30日に追記
週刊文春にオプジーボに関連する記事があったので、メモしておいた。週刊誌の記事なので信憑性ということでこの「覚え書」に書くこと、躊躇していたら、もう2016年は終わろうとしている。せっかく、書きうつしたので、転記する。週刊文春 2016年12月8日号のP.29に組織委の幹部の話として以下のように書かれている。
昨年、森氏は肺がんの手術を受けた後、体調が悪化した。ところが、保険が適用された超高額のオプジーボの投薬を始めて以来、体調は急回復。
2016/11/16