Amar U. Kishan氏の論文__GS 9-10 での治療法比較
UCLAのAmar U. Kishan氏を筆頭著者とする論文、JAMA. 2018 Mar 6;319(9):896-905.を読んだ。グリーソンスコア9-10の前立腺がん患者に対して、手術、外照射＋ホルモン治療、小線源＋外照射＋ホルモン治療による治療を行った場合の比較である。2000 年から2013年に12の病院（一つはノルウェー、残り11は米国）で治療された1809人の患者を対象としたレトロスペクティブコホート研究である。
1809人の男性のうち、手術は639人、外照射は734人で小線源＋外照射は436人だった。年齢の中央値はそれぞれ、61歳、67.7歳、67.5歳であり、追跡期間の中央値はそれぞれ4.2年,5.1年および6.3年だった。10年で、手術で91人、外照射（以下EBRTと表記）で186人小線源＋外照射（以下BT＋EBRTと表記）で90人の患者が死亡した。
5年前立腺癌特異的死亡率
手術 12%
EBRT 13%
BT＋EBRT 3%
BT＋EBRTは前立腺癌特異的死亡率が有意に低い。
5年遠隔転移率
手術 24%
EBRT 24%
BT＋EBRT 8%
BT＋EBRTは遠隔転移率が有意に低かった。
7.5年間全原因死亡率
手術 17%
EBRT 18%
BT＋EBRT 10%
EBRT＋BTは全原因死亡率が有意に低かった。
-----2019/04/14に追記
JASTRO 日本放射線腫瘍学会 No.235 グリソンスコア9-10の前立腺癌患者に対する根治治療(根治的前立腺摘出術、外照射、外照射＋小線源療法)における病勢と死亡率の比較に順天堂大学附属練馬病院 久能木 裕明氏の解説記事が掲載されている。
2018/06/22