長尾一公氏の論文__Yamaguchi Uro-Oncology Group の報告
高リスク患者に対してどのような場合が手術を受けるに適しているのか分析した論文、Int J Clin Oncol. 2018 Mar 27.、full textを読んだ。
2009年〜2013年Yamaguchi Uro-Oncology Group に属する17病院の315人の患者に対して手術で治療が行われその医療記録を遡及的にレビューした観察研究である。リスク分類はD'Amicoであり、T2b以下は170人、T2cは145人だった。
ただし、手術後のp3Ta未満は240人でp3Ta以上は74人という結果だった。
5年PSA非再発率 70.0%
（PSA再発は63人）
以下の二つの因子についての分析が行われた。
Gleason score (GS) ≥ 8
陽性率 ≥ 30%
このリスク因子の数 による5年PSA非再発率は以下のとおり。
0 88.7%
1 64.4%
2 35.2%
論文ではリスク因子の数によって以下のように書かれている。
0：favorable（117人）
1：intermediate（127人）
2：poor（57人）
315人という数は日本版ノモグラムが1,188人に対して作成されたのと比べるとそう多い数とはいえないが、それなりの数ではある。二つの因子ということで簡便だ。
この記事は掲示板の2018年5月1日の投稿に追記したものである。
2018/05/23