オリゴメタスタシス 前立腺がんに対する定位放射線治療

イタリアのブレシアにある Spedali Civili Hospital に所属するをLuca Triggiani 氏を筆頭著書とする論文の概要を示す。病院の創設は15世紀にさかのぼるとのことだ。論文は多施設でのレトロスペクティブな研究である。
Br J Cancer. 2017 Jun 6;116(12):1520-1525

2010年3月から2016年4月の間に治療された前立腺がん患者に対して分析した論文である。以下の二つのカテゴリに分けられた。
(1) PSA再発した oligorecurrent 前立腺がん(1-3病変(骨または節)が存在)
(2) oligo-CRPC (ホルモン治療中PSAが上昇した後に検出される転移(骨または節))

(1) は139病変で100人、(2)は70病変で41人であり、追跡期間の中央値は20.4カ月であった。
(1)の1年遠隔無増悪生存率は64.4%、2年遠隔無増悪生存率は43%であった。
(2)の1年遠隔無増悪生存率は43.2%、2年遠隔無増悪生存率は21.6%だった。

転移があった場合、定位放射線治療(SBRT)を行っても中々進行を止めるのは難しいといえる。ただ、結論には以下のように書かれている。

定位体放射線療法は、オリゴリカレントおよびオリゴCRPCの両方にとって有用な治療であると思われる。

Eur Urol. 2016 Jan;69(1):9-12.によると3年および5年の遠隔無増悪生存率はそれぞれ31%および15%であった。15%という値はさすがに微小の転移である場合も厳しい結果になるといえる。Fig. 1をみても明らかである。

2018/03/29