古林伸紀氏の論文_手術の治療成績
手術後のadjuvant radiotherapy に関して検索していたところ、次の論文をみいだした。
・Indian J Urol. 2017 Jan-Mar;33(1):64-69.
独立行政法人 国立病院機構 九州がんセンターの泌尿器科の古林伸紀氏を筆頭著者とする論文である。
1998年8月から2013年5月の間に九州がんセンターまたは関連病院で手術を受けた481人の患者が対象である。内訳はD'Amico のリスク分類 1) により低リスクは107人、中間リスクは222人、高リスクは152人であり、5年PSA非再発率は以下のとおり。
低リスク 96.5%
中間リスク 88.9%
高リスク 72.6%
中間リスクの因子の数によりPSA非再発率は以下のとおり。
１ 94.9%
２ 88.4%
３ 49.0%
中間リスクのリスク因子の数とPSA再発した数は以下のとおり。
リスク因子 １ 122人 内 4人（4/122 = 3.3%）がPSA再発
リスク因子 ２ 83人 内14人（14/83 = 16.9%）がPSA再発
リスク因子 ３ 17人 内 8人（8/17 = 47.1%）がPSA再発
3つの中間リスク因子すべてもつ場合、手術だけで完治を目指すのは難しいといえる。
1) D'Amico のリスク分類
低リスク stage T1c, T2a, and PSA level ≤10 ng/ml and Gleason score ≤6
中間リスク stage T2b or Gleason score of 7 or PSA level >10 and ≤20 ng/ml
高リスク stage T2c or PSA level >20 ng/ml or Gleason score ≥8
（2017/07/28に因子の数毎の詳細を追記）
2017/07/23