玉利慶介氏の論文__1回2.4Gyで30回照射での治療成績

都島放射線科クリニック所属の玉利慶介氏を筆頭著者とする論文、Anticancer Res. 2018 Jul;38(7):4207-4212.を読んだ。

玉利氏は大阪大学大学院医学系研究科放射線治療学特任助教も併任している。副院長ごあいさつには「都島放射線科クリニックは、大阪大学の関連施設」と書かれている。

クリニックの最新ニュースの玉利先生の論文がAnticancer researchにアクセプトされましたにはfull textがPDFで公開されている。ということでfull textも参照し以下概要を記す。

2007年5月から2012年12月までの412人の連続した前立腺がん患者が対象であり、中程度の寡分割照射(1回3Gy 30回照射、計72Gy照射)のIMRTで治療を行った。
Table I.よりNCCN リスク分類で以下の人数と% だった。
低リスク 41人(10.0%)
中間リスク 150人(36.4%)
高リスク 185人(44.9%)
超高リスク 36人(8.7%)

412人の患者のうち35人がPSA再発した(低リスク 1人、中間リスク 12人、高リスク 14人、超高リスク 8人)。
5年PSA非再発率
全体 93.2%
低リスク 100%
中間リスク 93.9%
高リスク  93.6%
超高リスク 80.3%

8年PSA非再発率
全体 86.1%
低リスク 90%
中間リスク 81.1%
高リスク 91.1%
超高リスク 76.5%

8年PSA非再発率が中間リスクが高リスクより低い値というのが少し気になる。グラフをみると8年のところで急激に落ちている。当方は1回2.5Gyだし、放射線治療装置も異なるので比較しても仕方がないが5年でだいたいフォローしてPSA非再発ならば良しと思っていたが、もう少しみる必要ありなのか。

2018/08/20