voices coming

1997年5月1日

voices coming

湯浅譲二が作った曲であり、大阪万博に於いて２館で使われた。電話の呼び出し音とオペレータの声、言葉を伝え合う前の、もしもし、hello、その他つながる前の声より構成される。
サンダカンと呼ぶ声が印象的である。伝達の前のさまざまな無機的な声ではあるが、world wideな人類の意味と感情の伝達を指し示し、感動的である。手元にあるのは、1982年3月27日、NHK FMで電子音楽をテーマに柴田南雄さんの解説の番組を録音したテープである。

華麗なるキャシー・バーベリアンの世界
　LP: TRIO PA-1029

大阪万博鉄鋼館でのリサイタルのために来日したという。このアルバムではモンテヴェルディ、ドビュッシーから、ケージに至る曲、ガーシュウィン、クルト・ヴァイルからレノン、マッカートニーまでその多彩な声を披露している。
なんといっても、出色はケージの「１８の春を迎えたすばらしい寡婦」である。蓋を閉めたまま演奏されるピアノをバックにジョイスの「フィネガンズウエーク」からのテクストを抑揚はあまりないが、深い意味での感情を表出している。

物語のようにふるさと遠い
　LP: ビクター SVJ-1297 1977
　曲：坂本龍一　詞：富岡多恵子　歌：富岡多恵子
　keyboard、percussion,drums　坂本龍一　bass 川端民生　guitar 杉本喜代志　他
　デザイン：菅木志雄　写真：荒木経惟

歌手を除いて豪華なアルバムである。レコーディングに際しての事情は富岡さんの「詩よ歌よさようなら」集英社文庫に記されている。ディレクタが当時大学院生だった坂本龍一をつれてきて作曲を頼むこととなったとのことである。最初のプレスは2千枚であり、富岡さんのサインの入ったLPを石丸電気で見出し、購入した。教授は富岡さんの音域を考慮して曲をつくったと思われるが、少しおぼつかない音程も魅力的であり、特に「中折れ帽子をかむったお父さん」が一等好きだ。

中折れ帽子をかむったお父さん
ひとりで歩いていた
中折れ帽子をかむったお父さん
ひとりで死んでいった

NEVER MIND THE BOLLOCKS
　CD:ヴァージン（東芝） VJCP-3215 1977
　SEX PISTOLS
underworldを紹介した「ミュージック・マガジン」の「初期パンク／ニュー・ウェイヴで特徴的だった唱法に酷似している・・・」という記事から、西川道博さんの紹介により、今年購入したCDだ。ジョニー・ロットンの歌い方はあえて、思わせぶりの感情移入はさけ、単純で挑発的な歌詞に相応しいといえる。
中で、ジョニー・ロットンのindifferentな歌唱の"NO FEELINGS"を愛好する。

I've no feeling. I've no feeling
I've no feelings for anybody else

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