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The Peanuts D.C. Retro
1999年1月4日
大晦日、例年の如く「紅白歌合戦」をみる。今年は少しく例年と異なり、テーブルで『存在論的、郵便的 ジャック・デリダについて』を横目で見ながらの観戦であった。L'Arc -en- Ciel、globe、TUBE、LUNA SEA等、国籍不明の名前をもつグループの初めてきく歌の喉をつめての歌唱に行く年、来る年を存在論的に思う。
年は明け、かつて大好きだったザ・ピーナッツのremix版"The Peanuts D.C. Retro"（キングK32X 169）を手に取る。
「恋のバカンス」から始まり、9曲おさめられている。但し、終わりはデーハー・コマンド・ミックスと称し、「恋のバカンス」の別mix版である。ここでは「モスラがきます」というザ・ピーナッツの声が効果的に入れられている。
なかにし礼特有の気取った感傷的な詞にあくまでも明るい宮川泰が実にいい。どちらかというと正統的な最初のセーラ・ミックスよりピストルが連射されるこのミックスがいい。また、リズムが強調され、最初と終わりに叫び声が入る「恋のバカンス」もお気に入りだ。
ピーナッツの歌声を取り出し、remixし、1987年にだされたこのCDは当時は先端的であったと思われるが、先に書いたように無国籍のシャウトが主流の昨今ではこのremixされたCD自体がレトロとなってしまったかもしれない。
とあれ、現在の流行り歌にもう決して無条件に追随することができなくなった私にとって、軽やかにポップにはもる「シャボン玉 ホリデー」のピーナッツは永遠であり、少しく意匠を改めたこのCDは軽く世紀末を迎える日々に相応しい。
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