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GHOSTS
1998年8月13日
アルバート・アイラーの名前をはじめて知ったのは、かの中上健次
の「破壊せよとアイラーは言った」によってだった。
また、山下洋輔トリオの「MONTREUX AFTER GLOW」での"GHOSTS"
での坂田の快演で、ゴーストを知り、そのうち原盤を買おうと思って
いた。
「SPRITUAL UNITY」はAlbert Aylerのsaxophone、Gary Peacockの
bass、Sunny Murrayのpercussionという編成のTRIOでの演奏である。
曲は3曲しか入っていなくて、A面の"ghosts"（1st version）、"the wizard"
B面の"spirits"と"ghosts"（2nd version）だ。
今回、本当に久しぶりに（5年以上、ひょっとすると10年ぶり）に聴いたが、
以前きいたときのどちらかというと先鋭的で、生き急ぐといった印象と
異なり、実に美しく、表題通り、spritualな感がした。
特にB面の"the wizard"の余韻を残した終わりから、さりげなく、
"ghosts"につなげるところは秀逸だ。
B面の"ghosts"（2nd version）をきいていると、この曲が一種の鎮魂歌
のような気がしてきた。魂が浮遊し、さ迷う。それを鎮めるメロディ。
それは童謡に似て心の平安へと誘う。
過ぎ去った時を呼び戻すことはできず、ただ、現在の新たな魂の祈りを
捧げるだけだ。
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