東京オペラシティアートギャラリーでひらかれている「出会い展」のイベントのひとつとして開催された刀根さんのパフォーマンスを聴きに出かけた。会場は狭いようなので、40分前に1番に並ぶ。
"Molecular Music"と"Wounded Man'yo 2000"が演奏された。"Molecular Music"は始め無音のフィルムがながされる。甲骨による卜文、李白、李商隠の詩の漢字をイメージ化されたものだ。刀根さんがライトをあて、私の隣に座っているスタッフがスイッチを入れ、映写される壁のセンサーが作動し始める。光は音に変換される。 映像とシンクロする電子音は、イメージを補完するのではなく、並行して、明晰に鳴る。終わりのほうで、葉の文字に字の形に似た木葉が映し出された。それは指し示すものと現存するものの関係を鮮やかに写し、いささか感動した。
"Wounded Man'yo 2000"はCDRに対して、スコッチテープをはったものを刀根さんが操作するものだ。その音は圧倒的だ。CDプレーヤがエラーを処理するためか規則的な音がする。途中に入るCDRを交換するためと思われる沈黙が何ともいえなくいい。 刀根さんの年齢を感じさせないパフォーマンスに感服した。何か悪戯っ子みたいな風情だった。