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殺しのブルース
1996年12月29日
「殺しのブルース」(TOCT-6496）は巻上公一の特異なアルバムである。全10曲の歌謡曲を脱構築している。ジョン・ゾーンがプロデュースし、ニューヨークで録音された。「帰ってきたヨッパライ」ニューヨーク バージョンの洒脱さに感心したが、松竹映画「悪人志願」のテーマ曲「雨と風の詩」：炎加代子作詞、歌のシュールさはなんともいえない。
『ユリイカ』の1997年１月号のゾーン特集に「音楽の生命を再組織する」という巻上公一のインタビューが載っていて、メイキング・オヴ・「殺しのブルース」と称して制作の子細が書かれている。ジョンの高円寺のアパートから「雨と風の詩」のシングル盤が出てきたということだ。小林旭の「女を忘れろ」、小坂一也の「待ちぼうけの喫茶店」は巻上がニッポン放送のレコード室で発見したものだ。
中で私が最もきにいっているはジャックスの「マリアンヌ」だ。灰野敬二が彼にとって最初のスタジオ録音であるが、参加している。ジョン・ゾーンの強烈なアルトサックスに加え、灰野敬二がギターを破壊的にドライブする。巻上公一は痙攣するボーカルで絶唱する。
俺は湖に 舟を出す
嵐は舟をめちゃくちゃにたたく
2004年7月25日
「殺しのブルース」は廃盤となり、LOROさんのサイトで同じく廃盤となった「民族の祭典」と併せて、再リリースの運動を展開し、再発にこぎつけたようだ。
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